犬猫の心臓病(循環器疾患)専門外来・精査について |神奈川県動物病院|ひらの動物病院

本サイトでは、当院での『心臓病(循環器疾患)専門外来』での検査記録を公開します。心臓病(循環器疾患)専門外来のご相談、ご予約はひらの動物病院:046(272)5300迄、電話にてご連絡ください。尚、当院のご紹介・ご案内は ひらの動物病院ホームページ http://www.hirano-vets.com をご参照ください。宜しくお願い致します。
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# 僧帽弁閉鎖不全症


(検査目的)2008年末、他vetにて心臓の雑音が指摘され血管拡張剤の投与開始。2011年12月。心臓病専門外来にて精査。主たる病態を僧帽弁閉鎖不全症と判断。継続治療中の定期検査(前回検査6ヶ月前)。最近、朝方の咳が多くみられるとの事。

(合併症) 気管性発咳

(検査内容)心エコー検査(カラードップラー心臓超音波検査)

(投薬内容)・塩酸エナラプリル ・ネオフィリン ・塩酸アンブロキソール ・カルベジロール ・ジピリダモール

(検査結果)・エコー中に不整脈なし、心拍数100〜170(前回90〜120bpm、上昇)
・中等度のMRを認める(逆流は線状で左房中央に到達、MR vena constracta=4.3(前回3.7)mm、悪化)、軽度のTRを認める(逆流は線状で弁口部に限局、TR vena constracta=2.5mm)、軽度のPRを認める(逆流は弁口部に限局)
・僧帽弁肥厚(+)、弁閉鎖位置は弁輪レベル、プロラプス(−)、弁尖逸脱(−)、腱索断端逸脱(前尖2次腱索±)
・その他の弁の形態、運動性に異常なし
・LA:AO=1.9(前回1.7、前前回1.9):1.0(軽度の左房拡大、悪化) 肺静脈拡大(+、10.7(前回7.7)mm、悪化)、左心耳拡大(±)
・右房拡大(−)、右心耳拡大(−)、前後大静脈拡大(−)
・LV-fanc:FS=55〜57(前回52〜53%、上昇)、LVPw:RVw=1.8:1.0
・左室遠心性拡大(+)、左室求心性肥大(−)、右室形態正常、LVIDd=27(前回25mm、悪化)
・MV-フロー:Ew=46(前回38cm/sec、上昇) 、減速時間(DT)=132(前回210)ms、E-slope=平坦化(+)
・先鋭化(−) Aw=55(前回58)cm/sec 、E/A=0.84(前回0.66、上昇)、E/Em=7.31(前回6.87、上昇)、Em/Am=0.37(前回0.40、低下)、等容積拡張時間(IVRT)=78(前回102ms、短縮)、MRフロー=逆流範囲が狭く測定困難
・TVフロー:Ew=64(前回69)cm/sec 、DT=144(前回96)ms、E-slope=平坦化(+)・先鋭化(−)、 Aw=46(前回39cm/sec、上昇) 、E/A=1.39(前回1.77、低下)、TRフロー=逆流範囲が狭く計測困難
・LVOTフロー:AOv=113(前回97cm/sec、上昇)、PEP=42ms、ET=198ms、PEP/ET=0.21(前回0.18、上昇)
・RVOTフロー:PAv=61(前回76cm/sec、低下)、PEP=48ms、ET=204ms、PEP/ET=0.24(前回0.20、上昇)、加速時間(AT)=72ms 、DT=120(前回144ms、短縮)
・PA:AO=1:1
・BP=143/106(118)、130610:148/77(110)

・軽度の心臓弁膜症とそれに伴う中等度の僧帽弁逆流(MR)、軽度の三尖弁逆流(TR)、軽度の肺動脈弁逆流(PR)
・心不全の悪化(軽度+)

軽度の僧帽弁肥厚が認められる。僧帽弁前後尖2次腱索が断裂している可能性があり、僧帽弁運動性異常が軽度に見られる。軽度の心臓弁膜症と診断される。これらに伴い、中等度のMR、軽度のTR、軽度のPRが認められる。MRの範囲が拡大している。左房拡大は前回より軽度に悪化している。左室遠心性拡大は前回より悪化している。僧帽弁口部フローの上昇およびE/Em上昇はみられない。これらの所見から左心系容量負荷上昇が軽度に存在し、悪化傾向があると判定される。僧帽弁口部フローの波形異常、Em/Am異常、IVRT延長から、左室拡張性低下が示唆される。心不全は代償期であり、心不全分類はISACHC クラス2(ACVIM分類 ステージC慢性期)と判定される。内科的治療が奏功しており、心不全の進行速度は緩徐に抑えられている。しかしそれでも軽度の悪化がみられるため、内科的治療の強化が勧められる。内服は現状のACE-I(エナラプリル0.69mg/kg,bid)、カルベジロール(0.17mg/kg,bid)に加え、硝酸イソソルビド開始(0.5mg/kg,bid開始、目標量2.0mg/kg,bid)が勧められる。








| - | - | 15:13 | category: 僧帽弁閉鎖不全症 |
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神奈川県大和市中央林間2-3-11
TEL:046(272)5300

獣医師・管理責任者:平野由夫
リンパ球培養プログラム修了
免疫細胞培養師
現代レイキマスター
獣医再生医療研究会
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ひらの動物病院:活性化自己リンパ球移入療法(CAT療法)の実施により15ヶ月間の良好なQOLが得られた犬の肝細胞癌の一例.Companion Animal Practice.チクサン出版:49-55,No.260.2011.



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