犬猫の心臓病(循環器疾患)専門外来・精査について |神奈川県動物病院|ひらの動物病院

本サイトでは、当院での『心臓病(循環器疾患)専門外来』での検査記録を公開します。心臓病(循環器疾患)専門外来のご相談、ご予約はひらの動物病院:046(272)5300迄、電話にてご連絡ください。尚、当院のご紹介・ご案内は ひらの動物病院ホームページ http://www.hirano-vets.com をご参照ください。宜しくお願い致します。
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<< 僧帽弁閉鎖不全症 | main | 2013年12月9日/第2月曜日/循環器疾患(心臓病)専門外来日 >>
# 肥大型心筋症

〔検査目的〕咳が出るとの事から一般外来にて来院し、心臓病専門外来にて心臓精査の上、肥大型心筋症と判断。アテノロール投薬開始後の定期検査(前回検査約2ヶ月前)。

〔検査内容〕心エコー検査(カラードップラー心臓超音波検査)

〔検査結果〕・エコー中に不整脈無し、心拍数130〜150bpm
・重度のMRを認める(逆流は扇状で左房深部到達)、中等度のARを認める、軽度のTR、ごく軽度のPRを認める
・僧帽弁形態に異常なし、プロラプス(−)、弁尖逸脱(−)、SAM(+)
・三尖弁他の弁の形態、運動性に異常なし
・LA:AO=2.0〜2.3:1.0(軽度の左房拡大、悪化なし)、肺静脈拡大(−、5.7mm)、左心耳拡大(+)、左房内血栓(−)、スモークサイン(−) ・右房拡大(−)、後大静脈拡大(−)
・LV-fanc:FS=52%、LVPw:RVw=2.9:1.0(左室壁菲薄傾向)
・左室遠心性拡大(−)、左室求心性肥大(+)、左室心内膜不整肥厚(+)、右室形態正常
・LVPWd=6.8mm、IVSd=6.8mm、LVIDd=最大18mm
・MV-フロー:Ew+Aw=188cm/sec、等容積拡張時間(IVRT)=42ms(左室拡張性改善傾向)、MRフロー=6.54m/sec ・TVフロー:TRフロー=3.18m/sec(右室圧上昇)
・LVOTフロー:ASフロー=前回6.10m/sec→今回3.83m/sec(左室圧、左房圧低下傾向)、ARフロー計測困
難。LVOT狭窄(++)、流出路中隔に線維性肥厚を認める。
・RVOTフロー:PAv=81cm/sec、PEP=48ms、ET=216ms、PEP/ET=0.22、加速時間(AT)84=ms、DT=132ms ・PA:AO=1:1

対称性肥大型心筋症(心内膜の不整な肥厚、心室中隔流出路線維性肥厚を伴う) / ・軽度の大動脈弁下部狭窄(AS)及び軽度の大動脈弁逆流(AR)、重度の僧帽弁逆流(MR)、軽度の三尖弁逆流(TR)を伴う ・心不全は改善傾向にある

心室中隔壁及び左心室自由壁の肥厚が認められ、ほぼ対称性の肥大型心筋症と診断される。心筋肥大の傾向は前回より軽減して認められる。左心室内心内膜には不整な肥厚がみられ、拘束型心筋症にやや類似した所見である。心室中隔の左室流出路部の肥厚、突出により、大動脈弁下狭窄が認められるが、流速は低下しており左室圧の低下、左房圧の低下が示唆される。依然として僧帽弁の形態には異常はないが、心筋症に伴う重度のMRが認められる。MR流速は前回より上昇しており、左房圧が低下していると考えられる。僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)が依然みられる。SAMの影響で、心室中隔の左室流出路心内膜は重度に肥厚して認められる。これらの問題に伴って、左心室拡張性低下、左心系容量負荷上昇、左室圧負荷上昇が存在しているが、前回よりいずれの問題も改善傾向にある。心不全は代償期と判断される。心不全分類はISACHC クラス1b〜2と判定される。内服はアテノロールに加えてACE-Iの併用開始が勧められる。左室流出路狭窄があるため、ACE-Iや硝酸イソソルビドなどの血管拡張薬の投与には慎重さを要するが、今回左室流出路狭窄が軽減して認められることから、投薬開始が望ましいと考える。また、血栓症の予防のため、ルンワン、ペルサンチン、クロピドグレル等の投与開始も考慮すべきであると考える。




| - | - | 15:42 | category: 肥大型心筋症 |
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獣医師・管理責任者:平野由夫
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